時計は朝、外は未だ明けず、音は沢田研二。
西城秀樹を聴いていたのだけれども、ボーカルの甘さとトラックの浪花節加減が気になったので、沢田研二に乗り換えた。
同時期に活躍したシンガー2人だけれども、かたや筋金入りのアイドル、かたやグループサウンズからのソロ転向。そもそも比較する対象ではなかったのです。
沢田研二の魅力は、どこか妖艶なソフトさ加減が絶妙なボーカル。元々持っている声の質が強いものなので、そのままの強さで歌うとやや暴力的になってしまう。
無論、その力強さを生かした、ある種昭和のニヒルな男性像を描いたヒット曲も多数あるのだけれども、個人的には艶やかさのあるボーカル曲に惹かれるのです。
それにしても声で勝負出来る、純粋なお茶の間シンガーが数少なくなって久しい世の中であるなと、やや年寄りめいたボヤキを入れてみたり。「Ah」というフレーズだけで曲を語れるシンガーはもう出てこないのかな。
時代が作った、そして時代を作ったシンガーでした。