先日、ボックスセットの『MOON YEARS』でこのアルバムを聴き始めた瞬間に違和感をおぼえたのです。
「音があまりにもタイト過ぎないかい?」と。
タイトであるとも言え、カリッカリな音でもあるように感じられるとも言え。
1989年のアルバムがこのような音であったはずではない、とそう感じ、即座にオリジナルのCDを手配したのです。
そして入手したCDを聴いてみると、これがまた予想通りに「安心出来る音」。録音レベルこそ現代のCDからすると非常に小さいものの、ボリュームをいいあんばいの聴感まで上げて聴くと、音の間に隙間がしっかりと存在し、レンジも広く感じられる音作りがそこにはあったのです。
ベストアルバム「DECADE」収録の音源でさえ、やはりオリジナルのマスタリングであることに意味があるのか、こちらの方がより生き生きとした音に感じられるから、これまた不思議なもので。
現オーディオシステムにしてからと言うもの、古い音源がとても心地よく鳴ってくれるようになり、それもあってか、今風に作り替えられたリマスタ音源に疑問を感じる機会も多くなってしまったようであります。
えーと。事後承諾ではありますが、ZABADAKのMOONレーベル時代のオリジナルアルバムは全て発注済です。順次到着します。その都度同じ印象を受けるだろうことは想像に難くなく。
ZABADAKの音作りは、この時代のこの音だからこそ、生きてくるものがあるのだと実感させられた次第であります。