『かつての突然変異種もスタンダードになる現代』
その系譜を持ったクリエイターなのだろうな、と思いながら聴いていた。言い換えるならば「これが今風、現代のクリエイター像なのだろうな」と。
アニメのテーマソングとして有名になった楽曲の印象からは軽く裏切られるアコースティックな歌声を持ったそのボーカルスタイルの幅広さも、また現代的であると。
聴き進めれば聴き進めるほどにその「系譜」を意識せざるを得ないポイントはあるのだけれども、系譜を分析して分解してみせてもそれは野暮でしかない。
それでも頭の中にしつこく残る分析癖は、純粋にこのポップスをそのままで楽しむことが出来ない私の思考のガン、動脈硬化のようなものなのだろうと。
ここは一つ、今を生きる様々なクリエイターたちが持つ雑食性と柔軟性に対しては素直にうらやましいと思いたいところ。
この音楽のリスナー、聴き手、一見さん、の音楽年齢に対する試金石とするのならば、問いかけは一つ。
「それを楽しめるか、楽しまないか」だと。