2019年、2枚同時発売のベスト盤。こちらは全体的にソフトであったり華やかであったりといった楽曲が並んでいる印象。骨格がガーリーな楽曲が並んでいる、と表現してもよいかな。
これ、いい。とても、いい。今回、一気にやなぎなぎを聴くそもそものきっかけとなった理由、その路線からは大きく外れているけれども、実に好みだわ。
声がね、人間のそれなのよ。何を言い始めたんだこいつは、とお思いなさんな。血が通っているボーカルと言うべきか、体温が平熱であるボーカルと言うべきか。「強い」ことをウリにしているボーカリストが世にはばかる現代において、この平熱感は貴重な存在だ。
楽曲のBPMは比較的緩めなのだけれども、一切の退屈をおぼえず。この幸せな時間がもっと長く続いて欲しいと思えるほど。そう、多幸感がここにはあるのだな。
平熱感と多幸感。やなぎなぎは自分が今救済的に求めているボーカルスタイル、ボーカリストだったのかもしれない。もちろん自分は強いボーカルも好むけれども、安らぎの地であるかのようなそれを欲していたのかもしれない。
ああ、そうか。正に巡ったのだな、ここに。