音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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いきものばかり〜メンバーズBESTセレクション〜 / いきものがかり (2010 FLAC)

どうも聴かず嫌いなところがあったので、これを機にとこのベスト盤をレンタル。ざっと俯瞰してみてみようと思った次第。

いきものがかりがJ-POPの王道として成立している理由がよくわかった。まず分かりやすいメロディ。決して複雑なことはしていない。ミディアムスローから疾走アップテンポナンバーまで幅広く取り揃えているソングライティング力はなかなかのものだと思う。思ったよりも単調ではなかったしね。

そして何よりもミュージシャンの物量投入。これでもかと一流どころのミュージシャン&アレンジャーを投入して、歌の世界観を拡げることに成功している。しかもありがちな1プロデューサーに頼るということがなく、恐らく楽曲によりけりの適材適所によって、楽曲にあえて統一感を持たせずにバラエティの豊かさに繋げることに成功していると見た。統一感という意味では、このボーカルが歌えばまず「あ、いきものがかりだ」と分かる強力なアイコンがあるので、楽曲の表情に統一感を持たせる必要はない。そう言う意味では、素朴なように見えて、実は強力なウェポンでもあるのがこのボーカリストの存在だということに気がつけたのは大きな収穫だった。

個人的には中途半端なミディアム曲よりも、マイナーアップテンポチューンか、ストリングスを投入したミディアムスローの曲に「あ、これがいきものがかりだな」と感じることができた。

総じて、思っていたよりは面白い展開だった。2枚組ベスト盤という物量がお腹いっぱいにさせたのは事実だけれども、単曲聴きにはそこそこ向いているように思えた。なるほど、極端な浮き沈みがなく、安定して楽曲を提供し続けている意味がよく分かったベスト盤でありました。納得。