中島みゆき7th。
1曲目「うらみ・ます」で窮極の怨み歌から始まるアルバム。これまでの伏線を全て回収しての集大成のごとく。
それでも中島みゆきの場合は、自分に対しての歌ではなく、怨みを持つ全ての者へと還元させるべく「怨みの提示」に聞こえてくるのが、流行歌手でもある存在としての上手さであるとも言える。
怨みとは異なる方向での咆吼によって悲しみが提示されているのは7曲目「エレーン」。曲に抑揚をつけ、訴えかける箇所で大きく歌い上げて意識を集中させる技もこのアルバムでは顕著。
全体的にはフォーキーな仕上がりで、アルバムのタイトルにこそ一瞬ぎょっとさせられるが、この時点で既に「中島みゆき」像が出来上がっていることがよく分かる1枚に。