ご無沙汰感のある、この組み合わせでのシベリウス。それも普段あまり耳を通す機会の少ない第6番で。
シベリウスの面白いところは、楽曲によってその表情をコロコロと変えるところにあるのだと、ふと思い至った。たとえば交響曲に共通した「ザ・シベリウス」的土台は、実は存在しないのではないかと。
「何をおっしゃる」と鼻で笑われてしまうかもしれないけれども、思ってしまった物は仕方がない。楽曲単位でその特性を個々に、かつ特徴的に書き記していったのがシベリウスの生き様だったのではないか、などとね。
で、ESOTERIC K-07XsのDSDへのアップコンバート機能を使って聴いているためか、CDを通常のモードで聴くよりも、艶やかさと音場感が加えられたかのような音になっている。それもまた、このシベリウスをリッチな物として聴かせる作りにさせているように感じられる次第。