やや長文・レビュー
非常に遅まきながら聴いた。いたく感心させられた。誰にとは言わないけれども、追いつこうとしたら別のベクトルに突き進んで追い越してしまった感がある。年齢を飛び越えた成熟と、その年齢にふさわしい青さとが同居した居心地の悪さ。アンバランスな立体の…
近年のそれとしてはリヴァイヴァル的解釈とも受け取れるこの演奏に、心のど真ん中を直球で射抜かれた次第。音にたっぷりとした説得力のタメを持たせながらも、それに溺れることのない重量級の推進力で曲を動かしていった感あり。「終わってくるな、まだ続い…
超重量級バンド、デラックス×デラックスの1stフルアルバム。このバンドの存在をつい先日まで全く知る由もなかったのだけれども、ひょんなきっかけで聴いてみたところ、自分の中で超絶ドツボにハマりまして。particleofsound.hatenablog.comタイミングよく1st…
音楽情報サイト「ナタリー」でたまたま目に止まった「デラックス×デラックス」なるバンド。昭和歌謡マナーの音楽を作成しているとの事だったので「ああ、またそう言うやつね」と適当に聴き流してやろうと思ったのです。気がついたら1時間以上聴いていた。こ…
一本芯を通した時の、坂本真綾は強い。コンセプチュアルなテーマを下敷きに展開されている今作も、そのタイトルの通り『記憶の図書館』と言うストーリー、ワードを軸に楽曲世界が繰り広げられているためか、どれだけ幅広い曲調の作品を取り揃えてきても、必…
SOUND HOUSE(サウンドハウス)による「CLASSIC PRO」ブランドのワイヤレスモニターヘッドホン。その基本性能と音楽再生能力の高さに驚かされた。近年のヘッドホンと比較して、一聴すると低音域が少し不足しているようにも感じられるかもしれないが、それが…
ケイト・ブランシェット主演、アカデミー賞6部門ノミネート、映画『TAR/ター』を観てきました。ドイツにあるオーケストラ(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がモチーフ)史上初の女性首席指揮者に就いていたリディア・ターの傲慢と転落の物語。ストーリ…
【セットリスト】()内はオリジナル歌手 ・喝采(ちあきなおみ) ・お祭りマンボ(美空ひばり) ・初恋(村下孝蔵) ・君は薔薇より美しい(布施明) ・イミテイション・ゴールド(山口百恵) ・難破船(中森明菜) ・シルエット・ロマンス(大橋純子) ・…
ある意味において中森明菜作品の極北に位置する踏み絵的アルバム。こいつを踏んで先へ進めるか否かと言った側面がある。シングル曲は収録されていない、全曲ボーカルにリバーヴがかけられて歌詞が淫靡に音に飾られている、ゴシックであまりにも妖しい歌の世…
ブルックナーに接すると宇宙と交信をしているような気分になることがある。音の運びが悠然としていることが、そう思わせる理由なのかもしれない。テーマが、やら、モチーフが、やら、で語ることが自分にとってはふさわしくなく、ただそこに見えている音の姿…
鈴木みのりはさり気なく好みの部類ですよ。今作も、結果としては楽しめるものでありました。でもね、1曲目が始まった瞬間「え?坂本真綾?坂本真綾のクローン?」とね。いくらリスペクトしているとしても、あまりにもこれは坂本真綾過ぎないか?と思い調べる…
スガシカオは傑作を作ることを恐れているのだろうか。傑作とはあまりにも脆いものだと知っているかのように、ひょいとそこを避けて通っているような気すらしてくる。そこに至る直前で寸止めをして遊んでいるのか。今作もそうだ。絞ろうと思えば絞れる贅肉を…
どこかでロスレス音源を売っているんじゃないのか?と検索したらあった。OTOTOYにあった。買った。ototoy.jp後々の大変化(へんげ)を遂げるまでの過程を味わうには、3枚分をぶっ通しで聴かないとならないと使命感には燃えているのだけれども、いかんせん聴…
1988年。東京。おそらく街中が華やかな灯りと希望、夢、欲望にあふれていた時代。その中で自らを持て余しながら生き進んでいた青年は、今、あの時代を振り返りどのような思いにとらわれるのだろうか。あの頃に心の奥底で燃やしていた烈火は、もはや遠い熾火…
氷川きよしのオリジナルセレクション。3枚組が3セット。このようなコンパイルが出ているとは知らなかった。慌てて音源をまとめてお借り上げしましたよ。Vol.01は演歌&歌謡曲、Vol.02は時代物&音頭、Vol.03はロック&ポップス&バラード。濃いよ、濃すぎる…
めくるめく豪華絢爛な郷ひろみワールド、そのDisc4を聴きました。このディスクは大幅にキャラクターチェンジ、そしてその固定を図りに来ているピリオドではないかと。「GOLDFINGER '99」の成功に気を良くしてなのか、相当にノッている郷ひろみを味わうことが…
Disc5をようやく聴いた。この多幸感と現役感はどこから現れてくるものなのか。それがこのディスクを聴いて感じたこと。キラキラからギラギラまで、BUCK-TICKのメンバー全員がそこに向かって欠ける要素なく演奏をし歌い上げることに鍵があるのか。初めて聴く…
陰陽座の新譜が出るとは全くもってノーマークだった。前作、2018年リリースのアルバム『覇道明王』をリアルタイム聴いて「これは格好いい!」と叫んだものの、その後再生回数を稼いでいなかったのだよね。最大瞬間風速だけでその後が続かなかった。そう思い…
もう今日は覚悟を決めて行っちゃうよ、朝方の寝落ちをするまで。数年に一回はこの波がやって来る。三大アイドルをハシゴする波が。自分の中で早見優、石川秀美、堀ちえみは『82年組トップに立てなかった「3大アイドル」』なのです。好きだったのです。主に楽…
急に聴きたくなった。自分にとっての痒いところに当然のように手が届くマイライブラリ。メジャー調の早見優楽曲には当時からそれほど惹かれてはなく。小学生時分の私と早見優との出逢いは、その後の快進撃からは異色とも映る「あの頃に もう一度」なので。こ…
このところ自分の枝葉を切り落としていく作業が好きになってきた。生活することも聴くことも作り出すことも、どんどんと削ぎ落としシンプルになっていく。同時に振り返りもまた多くなってきた。それは自分が何か次の局面に入っていることを意味しているよう…
過去にはこのような文章も。 2021年、私は47になった。鈴木慶一がこの作品を作り上げた40と言う歳をいつの間にか通り過ぎていた。SUZUKI白書 / 鈴木慶一 (1991 CD-DA) - 音波の薄皮鈴木慶一がこの作品、私小説作品集を書き上げた年齢からさらに10歳をストッ…
なんだか急に稲垣潤一が聴きたくなりまして。ここしばらくの間、頭の中で「オーシャン・ブルー」が回り出すことが多くなっていたのです。新春カラオケ大会でも「ドラマティック・レイン」を歌ってしまったほどに、急に稲垣潤一の存在感が大きくなってきたの…
圧巻の郷ひろみワールド、5枚組ベストの3枚目。聴かせます、どこまでも聴かせてくれます。この時期はバラード3部作を中心としたアダルトな雰囲気漂う楽曲や、見事な第一線っぷりを世間に再認識させた「GOLDFINGER '99」と言ったエンタテインメント路線まで、…
カレイドスコープ。歌もまた万華鏡。しかしながら、個人的に厳しいことを言えば、これではない。さらに個人的かつ具体的に語るならば、自分が藍井エイルに求めているのはもっともっとヒロイックな楽曲やボーカルなのだ。藍井エイルが声優的歌唱、七色の声で…
とにかく放って置いても名曲である楽曲が並んでおり、それらを歌うだけでも、歌い手の質によっては十分、悪く言えばお腹いっぱいになったりもするもので。本作品においては、歌謡曲もロックもJ-POPもかつてのニューミュージックも、全てにおいて完全にポップ…
この5枚組ベストがTSUTAYAディスカスのラインナップに現れた時には思わず黄色い声を出してしまいましたね。と言うことで、まずはDisc1・2が到着。通して聴きました。一言で表わすならば「これぞ Hiromi Go's Entertainment!」。とにかく聴かせてくれるので…
生身の中島みゆきのコンサートに行くことはついぞ叶わなかったけれども、このような形で大画面・大音量でその歌っている姿を拝見できたのは僥倖ではないかと。大晦日に一年の穢れを落とすため、ダクダクと泣いてこようと思ってはいたのですが、想像以上にこ…
焼酎のお湯割りなどをやりながら、坂本冬美2連チャン。演歌歌手が演歌を歌ってハマらないわけがない。同じ土俵の演歌カヴァーだからこそ。そのことによって冬美ちゃんの歌の味が一層引き立つってなものなので。吹き込まれた曲、歌番組等々、演歌と言うジャン…
Uruの「白日」カヴァーを聴いていたら、このアルバムを再度聴き直してもいい機会なのではと思うに至りSpotifyから再生。頑なにこの音源は手元に置いていなかったのだよね。理由はおそらく過去に書いているだろうけれども、その音作りが苦手だったのだよね。…